「中学受験の偏差値は通常よりも低くなる」と言われています。
受験生とその保護者にとって、
模試や学校の偏差値は大きな関心事の1つですが、
「偏差値がどのように算出されているか」を
きちんと理解している方は、意外と少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、偏差値の算出方法や、
中学受験の偏差値の特徴などを解説していきます!
まず前提として、中学校の偏差値は、
塾や予備校が模試の結果・進学実績を参考に算出しているものです。
中学校が公式に発表しているものではないことに注意しましょう。
そのため、年によって偏差値が変わることもあります。
では、どのように学校の偏差値を算出しているのでしょうか。
基本的には、模試の成績(偏差値)と、進学状況の結果により偏差値が決まります。
つまり「どの程度の偏差値の受験生が、どの中学校に合格するか」という目安で、
各学校の偏差値が決められています。
偏差値を一言で説明すると、
「テストを受けた集団の中で、自分がどれくらいの位置にいるかを示す数値」です。
受験した模試の平均点を「偏差値50」になるように変換し、
その基準からどれくらい高い/低い点数かを表します。
偏差値が算出されることで、
自分の実力を他の受験生と比較したときに、
自分がどの位置にいるかを把握することができます。
まずは、偏差値=「平均点との差」
と覚えておくとよいでしょう。
◎ 問題の難易度と受験生の学習レベル◎
偏差値は「平均点との差」でした。
そのため、受験する模試の問題の難易度や、
受験生の学力レベルによって、毎回偏差値は変動します。
例えば、難関中学校を受験する生徒だけの模試を受けるのと、
中学受験をしない生徒も含めて模試を受けるのでは、
平均点が変わります。
難関中学校を受験する生徒だけの模試では、
学力が高い生徒が多いため、
平均点が上がりやすくなるでしょう。
そのため、自分が高得点をとったとしても、
偏差値は思いのほか低くなります。
あるいは、問題の難易度が高ければ、
みんなが高い点数を取ることが難しいため、
その分平均点が低くなります。
平均点が低い模試で、平均点を超える点数を取れれば、
通常よりも偏差値が高くなります。
◎得点のばらつき◎
また、受験生の得点がどのような「ばらつき」
があるかも偏差値に影響を与えます。
受験者全体の得点が平均点付近に密集しているテスト
つまり、平均点に近い点数を多くの人がとっている場合では、
平均点から離れた得点を取りにくいので、
平均点よりも高い点数を取るとその分偏差値は高くなります。
一方で、得点が分散しているテストでは、
平均点から離れた得点を取りやすいため、
平均点以上の得点であっても偏差値はそれほど上がりません。
以上のように「受験生の学習レベル」と
「問題の難易度」が平均点に影響していること、
また「得点のばらつき」によっても
偏差値が変わることを覚えておきましょう。
「中学受験の偏差値は通常よりも低くなる」と言われています。
これはどうしてでしょうか。
この理由は、偏差値が、
どのような学力の生徒が受験しているのか(=母集団)によって変動するためです。
中学受験をする生徒は全国の小学生の中でも「特に勉強している集団」であり、
その中での優劣が偏差値となります。
つまり、学力レベルが高い母集団なのです。
一方で、 高校受験では中学生のほぼ全員が受ける上、
中学受験で中高一貫校に行ったお子様は受験しないため、
受験生は「中学受験をした生徒を除いた集団」となります。
このような母集団の性質の違いから、
同じ「偏差値50」でも、中学受験の偏差値50と高校受験の偏差値50は内容が異なります。
高校受験の偏差値と比較すると、
中学受験の偏差値は10以上低く出るとも言われています。
茨城県の中学校の偏差値は以下のようになっています。
・茨城県立水戸第一高等学校中学部 63
・茨城県立土浦第一高等学校附属中学校 62
・茨城県立並木中等教育学校 61
・茨城県立日立第一高等学校附属中学校 55
・茨城大学教育学部付属中学校 52
茨城県以外の中学校の偏差値
・攻玉社中学校(東京)63
・東京学芸大学付属世田谷中学校(東京)62
・東洋英和女学院中学校(東京)61
・横浜雙葉中学校(神奈川)55
・横浜国立大学教育学部附属横浜中学校(神奈川) 52
(参考元:study中学受験「中学校偏差値一覧」)
「偏差値50」と聞くと平均的な学力という印象を受けるかもしれませんが、
中学受験においては一概にそうとは言えないことに注意しましょう。
偏差値の算出方法をしっかりと理解することで、
模試の結果を冷静に分析できるようになります。
偏差値はあくまで「テストを受けた集団の中で、自分がどれくらいの位置にいるか」
を表しています。
つまり模試は「自分の現状を認識するためのツール」なのです。
模試の結果に一喜一憂するのではなく、現状の自分の弱点や課題、
得意科目などを理解し、今後の勉強に活かしましょう。
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